大倉正之助先生が奉能なさる伝統行事12月1日㈯開催の高千穂神楽について

トップ画像:高千穂町観光協会HPより

レインボータウンFM 88.5MHz
新番組【大倉正之助 鼓ライダーが行く!】
毎週火曜日 19時30分~19時40分 放送

パーソナリティの由結あゆ美です。

神事において神様に奉納するために奏される“御神楽”…
皆さまはご覧になったことはありますか。

「祭りの原点を感じられる高千穂!」
「高千穂神社で創作された新しい御神楽とは!?」
「12月1日、夜通しかけて行われる夜神楽について」

戦後に再開して40年になる高千穂神楽、

そして奉納をされる正之助先生に、お話を伺います。

▼第6回放送のバックナンバー動画はこちら


由結:皆様、こんばんは。パーソナリティの由結あゆ美です。このコーナーでは能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助さんをアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・物・事をご紹介してまいります。
正之助さん、よろしくお願い致します。

 

大倉:よろしくお願いします。

 

由結:今週から正之助さんと呼ばせて頂きたいと思っております。

 

大倉:もうもう先生っていうと堅くなっちゃうんで、私もそうやって頂いた方が、言って頂いたほうがね(笑)。

 

由結:はい、よろしくお願いします(笑)。さて正之助さんはこの度高千穂に行ってこられましたそうですね?

 

大倉:そうです。私が実は高千穂と最初に関わったのはもう40年ぐらい前になりますね。それで高千穂神社と天岩戸神社を巡ってご奉納したんですが・・・その時は自分が大怪我してましてね。でも一切それを言わないで内緒で行ったんですよね。皆一緒に行った笛や他の太鼓の人達もいたのでね。それで奉納の時に、もう第一声が忘れられない激痛というか。でも勢いでやったんですね。

 

由結:ええっ!勢いでできるものなんですか?

 

大倉:気の力だけで。そしたらあとで皆に「正月だから気合が違うね!」とか言われて(笑)。

 

由結:わぁ、さすがですね。

 

大倉:いい思い出ですね(笑)。またそのあとね、実は高千穂の後藤宮司さんって、素晴らしい宮司さんですが、私の尊敬する宮司さんが高千穂で「新しい神楽を創作したい」と。そしてしかも中国人のカンフーのダンサー。日本に来て日本舞踊を勉強したり、能も勉強してたんですね。それに目をつけて宮司さんの何かご縁があって新しい神楽を創作。”天照”っていうのをやろうと。それに、その向こうの下川登の奉仕者の方が参加して、私もそこに鼓で入ると、大川で大鼓で入ると。それでそういうコラボレーションですね。神楽史上初めてっていう感じでね。私も随分通いまして、一緒になって作り上げていったのが26年、27年前ぐらいですかね。

 

由結:全くの新たな企画だったわけですよね。

 

大倉:そうそう。それで私がちょっと提案して彼女自身がそういう”カンフーの踊り”それから”日本舞踊”、それからの”能”っていうものを、三つやっていらっしゃるから、「それを活かしたらいいじゃない」っていう事で”天鈿女命(あめのうずめのみこと)”…舞踊的な踊り。そして今度”天手力男命(たじからおのみこと)”…ちょっと強い能などの動きを。そして最後は”天照大神(あまてらすおおみかみ)”。そういうのを全部融合したものを表現して三部作で夜通し、しかもあれは2月建国記念日のあたりですから、寒いですよね。その凍てつく寒さの中を一晩中、夜中から明け方まで。最後明け方の中で”天照”が登場すると。そういう演出だったんですよ。

 

由結:凄く感動的な場面なんでしょうね。高千穂とはそんなご縁があったのですね。

 

大倉:この間26,27年ぶりに高千穂神社でまた御奉納させて頂いて、その時に神楽を奏上された、”神楽の奉仕者・ホシャドン”っていうんですけど、宮司さんが粋な計らいで皆に声かけてくだすってね、奏上の人達が皆集まって素晴らしい神楽を入来神の、神楽は色んなものがある、三十三番とかね。たくさんあるんですけど、その中の、式三番の一つの部分を奏上して頂いて。いやとても感動して僕もう思わず胸が熱くなって。実は高千穂っていうのは、戦後”日本文化をある意味で封印する”っていう事で禁止になっちゃったんですね。でもその地域によっては続けたとこもあったんですが、高千穂のその下川登っていうところは一旦途絶えて、それを40年前に若い人達が再興して。それが丁度私と同世代のような人達がやってたわけです。今回40周年だっていうんで、12月1日また夜通しかけて夜神楽をやるんで是非、それには向こうからもオファーがあって参加する事になりましてね。

 

由結:12月1日、高千穂での夜神楽!貴重な機会ですね。

 

大倉:はい、面白いのは何時に始まるっていう、もちろん時間帯ってあるんですけど、こっからとか。当然朝から神様をお迎えするわけだから、そういう神様をお迎えする準備から始まってまして、結局整ったらその式三番から始まって、そしてちゃんと玉虫御殿とかもあったり、直会もあったり。大体夜8時ぐらいになって、そこからどんどんどんどんずっと神楽三十三番とか六十六番とかね、色々あるんですけどね。我々現代人の捉え方っていうと神楽一番ってやると能の一番を見るような、ちょっとそういうお芝居の番組を一つ作品見るっていうふうに思いがちなんですけど、神楽の場合はエンドレスで、つまりいつ始まってるかわからないっていう…。それでそれが続いてその中で色んな展開が起こる・舞が起こるとか、音楽のお囃子とか。最後の終わったあと片付けて、神様がお帰りになって頂く、片付けまで全部それが一つ一つの場面場面が一番っていう概念で、それを切っていくと下手すると六十番とか百番とか凄い数になっちゃうっていうぐらいの捉え方なんですよね。だから現代的な視点で神楽と言われるとちょっと捉えきれないですよね。だからちょっと面白いんですよ。世界にもやっぱりある意味でそういうネイティブな先住民族の人達が、神々と語らったり、何か自然と一体になって同化していく。そこにある祭りの原点っていうのがやっぱり高千穂にあるんじゃないかな…と。

 

由結:そうですか、高千穂は祭りの原点が感じられる場所なんですね! まだまだお話つきませんが、正之助さん、もう時間が来てしまいましたので、来週も是非この続きをお聞きしたいなと思います。

 

由結:”大倉正之助・鼓ライダーが行く”お別れの時間です。お相手は…

 

大倉:大倉正之助。

 

由結:由結あゆ美でした。また来週。

 

大倉:また来週!


Rainbow Town FM 88.5MHz「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」
■人気の2時間情報番組「大江戸ワイドスーパーイブニング」内 のコーナー番組
■放送日時:毎週火曜日 19時30分~19時40分
■出演者:アンカーマン 能楽師 大倉正之助先生
パーソナリティ 国際マナー講師 由結あゆ美
■番組運営:株式会社ユウキアユミサロン


【ラジオ視聴方法について】

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