About 「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」編集部
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大倉正之助先生が奉能なさる伝統行事12月1日㈯開催の高千穂神楽について
トップ画像:高千穂町観光協会HPより
レインボータウンFM 88.5MHz
新番組【大倉正之助 鼓ライダーが行く!】
毎週火曜日 19時30分~19時40分 放送
パーソナリティの由結あゆ美です。
神事において神様に奉納するために奏される“御神楽”…
皆さまはご覧になったことはありますか。
「祭りの原点を感じられる高千穂!」
「高千穂神社で創作された新しい御神楽とは!?」
「12月1日、夜通しかけて行われる夜神楽について」
戦後に再開して40年になる高千穂神楽、
そして奉納をされる正之助先生に、お話を伺います。
▼第6回放送のバックナンバー動画はこちら
由結:皆様、こんばんは。パーソナリティの由結あゆ美です。このコーナーでは能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助さんをアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・物・事をご紹介してまいります。
正之助さん、よろしくお願い致します。
大倉:よろしくお願いします。
由結:今週から正之助さんと呼ばせて頂きたいと思っております。
大倉:もうもう先生っていうと堅くなっちゃうんで、私もそうやって頂いた方が、言って頂いたほうがね(笑)。
由結:はい、よろしくお願いします(笑)。さて正之助さんはこの度高千穂に行ってこられましたそうですね?
大倉:そうです。私が実は高千穂と最初に関わったのはもう40年ぐらい前になりますね。それで高千穂神社と天岩戸神社を巡ってご奉納したんですが・・・その時は自分が大怪我してましてね。でも一切それを言わないで内緒で行ったんですよね。皆一緒に行った笛や他の太鼓の人達もいたのでね。それで奉納の時に、もう第一声が忘れられない激痛というか。でも勢いでやったんですね。
由結:ええっ!勢いでできるものなんですか?
大倉:気の力だけで。そしたらあとで皆に「正月だから気合が違うね!」とか言われて(笑)。
由結:わぁ、さすがですね。
大倉:いい思い出ですね(笑)。またそのあとね、実は高千穂の後藤宮司さんって、素晴らしい宮司さんですが、私の尊敬する宮司さんが高千穂で「新しい神楽を創作したい」と。そしてしかも中国人のカンフーのダンサー。日本に来て日本舞踊を勉強したり、能も勉強してたんですね。それに目をつけて宮司さんの何かご縁があって新しい神楽を創作。”天照”っていうのをやろうと。それに、その向こうの下川登の奉仕者の方が参加して、私もそこに鼓で入ると、大川で大鼓で入ると。それでそういうコラボレーションですね。神楽史上初めてっていう感じでね。私も随分通いまして、一緒になって作り上げていったのが26年、27年前ぐらいですかね。
由結:全くの新たな企画だったわけですよね。
大倉:そうそう。それで私がちょっと提案して彼女自身がそういう”カンフーの踊り”それから”日本舞踊”、それからの”能”っていうものを、三つやっていらっしゃるから、「それを活かしたらいいじゃない」っていう事で”天鈿女命(あめのうずめのみこと)”…舞踊的な踊り。そして今度”天手力男命(たじからおのみこと)”…ちょっと強い能などの動きを。そして最後は”天照大神(あまてらすおおみかみ)”。そういうのを全部融合したものを表現して三部作で夜通し、しかもあれは2月建国記念日のあたりですから、寒いですよね。その凍てつく寒さの中を一晩中、夜中から明け方まで。最後明け方の中で”天照”が登場すると。そういう演出だったんですよ。
由結:凄く感動的な場面なんでしょうね。高千穂とはそんなご縁があったのですね。
大倉:この間26,27年ぶりに高千穂神社でまた御奉納させて頂いて、その時に神楽を奏上された、”神楽の奉仕者・ホシャドン”っていうんですけど、宮司さんが粋な計らいで皆に声かけてくだすってね、奏上の人達が皆集まって素晴らしい神楽を入来神の、神楽は色んなものがある、三十三番とかね。たくさんあるんですけど、その中の、式三番の一つの部分を奏上して頂いて。いやとても感動して僕もう思わず胸が熱くなって。実は高千穂っていうのは、戦後”日本文化をある意味で封印する”っていう事で禁止になっちゃったんですね。でもその地域によっては続けたとこもあったんですが、高千穂のその下川登っていうところは一旦途絶えて、それを40年前に若い人達が再興して。それが丁度私と同世代のような人達がやってたわけです。今回40周年だっていうんで、12月1日また夜通しかけて夜神楽をやるんで是非、それには向こうからもオファーがあって参加する事になりましてね。
由結:12月1日、高千穂での夜神楽!貴重な機会ですね。
大倉:はい、面白いのは何時に始まるっていう、もちろん時間帯ってあるんですけど、こっからとか。当然朝から神様をお迎えするわけだから、そういう神様をお迎えする準備から始まってまして、結局整ったらその式三番から始まって、そしてちゃんと玉虫御殿とかもあったり、直会もあったり。大体夜8時ぐらいになって、そこからどんどんどんどんずっと神楽三十三番とか六十六番とかね、色々あるんですけどね。我々現代人の捉え方っていうと神楽一番ってやると能の一番を見るような、ちょっとそういうお芝居の番組を一つ作品見るっていうふうに思いがちなんですけど、神楽の場合はエンドレスで、つまりいつ始まってるかわからないっていう…。それでそれが続いてその中で色んな展開が起こる・舞が起こるとか、音楽のお囃子とか。最後の終わったあと片付けて、神様がお帰りになって頂く、片付けまで全部それが一つ一つの場面場面が一番っていう概念で、それを切っていくと下手すると六十番とか百番とか凄い数になっちゃうっていうぐらいの捉え方なんですよね。だから現代的な視点で神楽と言われるとちょっと捉えきれないですよね。だからちょっと面白いんですよ。世界にもやっぱりある意味でそういうネイティブな先住民族の人達が、神々と語らったり、何か自然と一体になって同化していく。そこにある祭りの原点っていうのがやっぱり高千穂にあるんじゃないかな…と。
由結:そうですか、高千穂は祭りの原点が感じられる場所なんですね! まだまだお話つきませんが、正之助さん、もう時間が来てしまいましたので、来週も是非この続きをお聞きしたいなと思います。
由結:”大倉正之助・鼓ライダーが行く”お別れの時間です。お相手は…
大倉:大倉正之助。
由結:由結あゆ美でした。また来週。
大倉:また来週!
Rainbow Town FM 88.5MHz「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」
■人気の2時間情報番組「大江戸ワイドスーパーイブニング」内 のコーナー番組
■放送日時:毎週火曜日 19時30分~19時40分
■出演者:アンカーマン 能楽師 大倉正之助先生
パーソナリティ 国際マナー講師 由結あゆ美
■番組運営:株式会社ユウキアユミサロン
【ラジオ視聴方法について】
大倉正之助先生の新番組「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」は、レインボータウンFM 88.5MHz で聴いていただける他、エリア外の方も、Google play や App Storeから「リスラジ」を無料インストールしていただくと、世界中からお聴きいただけます。PCの場合は、リスラジのホームページで聴くことができます。※PCでは、ホームページ左上ロゴの下にあるAdobe Flash Playerを許可してお聴きください。
CATEGORY(全国のラジオ局)>CHANNEL(関東)>レインボータウンFM
歴史や考古学に精通する大学教授 ナムチャンヒ先生と大倉正之助先生との対談(2018年10月30日放送)
レインボータウンFM 88.5MHz
新番組【大倉正之助 鼓ライダーが行く!】
毎週火曜日 19時30分~19時40分 放送
パーソナリティの由結あゆ美です。
新番組「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」は、能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助先生をアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・モノ・コトをご紹介する番組です。
皆さまは、“紅山(こうざん)文化”…東アジアに共通するコンセプトをご存じですか?
「中国の満州~朝鮮半島~日本…古墳の埋葬法は共通している!?」
「能楽のコンセプトでもある“天・地・人”の概念とは!?」
「“和”の精神は日本だけではなかった!?」
韓国で、歴史や考古学に精通していらっしゃる大学教授 ナムチャンヒ先生と対談なさった正之助先生にお話を伺います。
▼第5回放送のバックナンバー動画はこちら
由結:このコーナーでは能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助先生をアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・モノ・コトをご紹介してまいります。こんばんは、パーソナリティの由結あゆ美です。そして…
大倉:大倉正之助です。よろしくお願いします。
由結:さて、先生は先日韓国に行かれたそうですね?
大倉:えぇ。韓国はもう毎年実は決まって行っておりましてね。そんな中で向こうのもちろんアーティストとも交流しますし、今回は大学の教授 ナムチャンヒ先生と交流してきました。彼は歴史や考古学的な部分も非常に研究なさっています。”紅山文化”。古墳時代らしいです。古墳時代といっても弥生・縄文時代にもかかってくるそうです。それで地域としては中国の満州いわゆる、から今度は朝鮮半島、そして日本を網羅して、大体古墳の埋葬法が全部共通してるって言うんですよね。
そこの先生曰くこのコンセプトが”天・地・人”と言う概念がある。その”天・地・人”が、一つになって宇宙を表している世界観。そしてそれのこのハニワって言うか、この焼いたハニワみたいなね。それから、土器ですね。それは丸・三角・四角みたいな、一つ紋様が基調にあって、これは”天・地・人”を表しているって言うわけですけどね。それでその先生がそれを研究して日本中も100箇所以上そういう古墳とか遺跡を調査したらしいんですよ。お互いが共有したこの文化・基盤が東アジアにあって、考えたら当時は国境もないわけだから、我々繋がって本当に連合国国家って言うかね、お互いが自由に行き来をし、文化を共に育む…そうやって育ってきた下地が我々のこの東アジアにはあるんじゃないかと。
由結:それは興味深いですね。
大倉:そういう観点に基づけば、我々も今この浅い歴史の中でもこういう障害って言うのはそういうものは越えて、もっと未来をね。じゃあ我々がこういう共通の素晴らしい、例えば漢字一つ、そして我々の価値観、自然と一体、”天・地・人”。これは、実は、能のコンセプトになってる”天・地・人”なんですよ。”翁”って言う曲があるんですけどね。この”翁”は能の中の最古のもの、そして神事的な祝祷のものであって、これは”天・地・人”が一体になって調和する姿みたいなものが表されています。“陰陽中庸“という世界観や、そんなものが元になってるんですが、まさしくそれがこの紅山文化の概念だったんです。だからひょっとしたら、4000~5000年前からの流れが脈々と、能楽に受け継がれているのかもしれない。そして現存してる能の曲も、中国の”咸陽宮白楽”にも残されている。例えば、“清浄“”鍾馗”“項羽“”嘗君”…中国の物語は山のように日本の能の中にあるわけですよ。
由結:貴重なお話!
大倉:秦の始皇帝なんかもう出てくるわけですね。玄宗皇帝に、楊貴妃。そうやってこの中国の偉人達が能には登場してくる。我々は同じこの文化や価値観を共に育んできたものじゃないか、と。であれば未来に対して「どのようにして行こう」って言うことをもっと考えるべきじゃないか、と。日本・中国・韓国の人達がやはり我々の土地に根付いた文化をもとに世界の為にもっと貢献できるんじゃないか、と思います。世界が色んな意味で対立したり、争っている時にこのアジアの”融和の和の精神”ね。
由結:”和”がアジアをつなぐ…ということでしょうか。
大倉:そう、”和”って言うのは日本だけじゃないんです。実は、紫禁城に行ったら太和殿って言うのがあるんですよ。”大きい和”太い、点が入っているんですけどね。やはりそれも”大和(やまと)”って言うのも大和(だいわ)でしょう?だからそういうところで一本通じる、共に分かち合うようなものがアジアにはあって、自然と人が調和した姿。これは能で言えば音に対する概念もそうなんですよ。鼓の音のこととか、笛の音のことを”調べ”って言うでしょう?”調べ”ってごんべんに周りって書く。調和なんですよね。だから人間が人工的に作り出してる音だけじゃなくて、もちろん人間が色々技術を駆使して音を生み出すんだけど、やっぱり自然のその時の環境、そして気候・天候、その雨・晴れ・湿度。そういうものが全部加味されてそして人間の体もこうしてできる・立ち上がる音。だから”調べ”って言うんです。”たえなる調べ”は尊いんですよね。人間が良し悪しを決めるものじゃない、と。これ良い音・悪い音とかって言うよりは、やっぱりその調べから受けるメッセージをこの聞き手が汲み取れたり、そういうものを感受する、その感性を養うものなんだと言うことはあると思いますね。だからそんな精神が脈々と古代からこの能には受け継がれてきていると言うことを、韓国の教授ともお話しておりました。だから、そういったことがもっともっと明らかになって、そして我々が力合わせれば、アジアが平和を担い手となって世界も自ずとそういうものに導かれていくんじゃないか、と。「役目は大きいぞ」というようなことを話していました。
由結:“和”の精神は、ますます欠かせないものになりますね。
大倉:オリンピックに向かって、これから世界の人達がお見えになりますから、そんな精神を伝えられることができればと思います。
由結:そうですね。この放送でも、その精神を先生からお言葉を頂いて、たくさんの方に伝えていきたいと思います。
大倉:ありがとうございます。
由結:ありがとうございます。さぁ”大倉正之助・鼓ライダーが行く”別れのお時間です。また来週お会いしましょう。お相手は…
大倉:大倉正之助!
由結:由結あゆ美でした。
大倉・由結:また来週!
Rainbow Town FM 88.5MHz「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」
■人気の2時間情報番組「大江戸ワイドスーパーイブニング」内 のコーナー番組
■放送日時:毎週火曜日 19時30分~19時40分
■出演者:アンカーマン 能楽師 大倉正之助先生
パーソナリティ 国際マナー講師 由結あゆ美
■番組運営:株式会社ユウキアユミサロン
【ラジオ視聴方法について】
大倉正之助先生の新番組「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」は、レインボータウンFM 88.5MHz で聴いていただける他、エリア外の方も、Google play や App Storeから「リスラジ」を無料インストールしていただくと、世界中からお聴きいただけます。PCの場合は、リスラジのホームページで聴くことができます。※PCでは、ホームページ左上ロゴの下にあるAdobe Flash Playerを許可してお聴きください。
CATEGORY(全国のラジオ局)>CHANNEL(関東)>レインボータウンFM
「大倉正之助先生が登壇!練馬区立開進第二中学校での和楽器体験の模様」(2018年10月23日放送)
レインボータウンFM 88.5MHz
新番組【大倉正之助 鼓ライダーが行く!】
毎週火曜日 19時30分~19時40分 放送
パーソナリティの由結あゆ美です。
新番組「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」は、能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助先生をアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・モノ・コトをご紹介する番組です。
学校訪問を続けて40年の正之助先生。
本日の放送では、 練馬区立開進第二中学校でのお話をお聞きします。
イキイキとした表情で和楽器体験を楽しむ子供たち!
これからの未来を担う子供たちとリスナーの皆さまに向けて、 正之助先生から自然体で生きる、人生のヒントを教えていただきます。
▼第4回放送のバックナンバー動画はこちら
由結:このコーナーでは能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助先生をアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・モノ・コトをご紹介してまいります。こんばんは、パーソナリティの由結あゆ美です。そして…
大倉:大倉正之助です。
由結:今週は先生のご活動の様子をお聞かせ頂きたいと思います。先日、中学校を訪問なさったとか?
大倉:はい、学校訪問は実は続けて40年になるんですよ。その中で、練馬区立の開進第二中学校は毎年恒例で、音楽の授業の一環の中で、NHK出版で著書「ワキ方の安田登さん」などご本をたくさん出されている安田登さんと、私とが受け持っています。彼が能や狂言のオオクツさんという方と一緒になって、立方のお話をしました。そして私のほうがお囃子のほうを担当するっていう形で、ずっと授業を続けてたんです。先日の感想・メッセージを、開進第二中学校の音楽の先生から頂いています。
由結:それでは、聞いてみましょう。
「練馬区立開進第ニ中学校の音楽科の清水と言います。大倉正之助さんとはもう二十年近いお付き合いかなと思います。私が大倉先生をお呼びしている一番の理由は、子ども達に本当の邦楽を学んでもらいたいからなんです。そして、伝統を守るということがどれだけ大変か、ずっとこれから先も続けていこうと思っている人達の生き様を是非子ども達に知ってもらいたい。これが私のお呼びしている理由です。「何でも自分さえよければいい」って言うこの時代に、ずっと先まで伝えていこうという気持ちでずっと守っていらっしゃる…その生き方は、今の日本人には一番大事なのではないかと思っています。これからも是非色んな学校でそういうふうな授業が行われるといいなといつも思っています。」
由結:清水先生からの貴重なメッセージをお聴き頂きました。
大倉:私、実は、子ども達にも話したんだけど、日本伝統芸能の家に生まれながら、自分も迷ったんだと。君達ぐらい、中学生ぐらいの時に。やっぱり伝統っていうのがどんどん特に戦後。戦後って言ったら今は死語かな。ほとんどだから七十年以上経って、日本の文化がどんどん衰退していく。そういう中で、私は社会と家について考えさせられた。家では伝統。だけど外に出るとそうじゃない。その狭間で翻弄されて自分は迷ったんだよ、と。我々が迷ってるぐらいだから、君達がそんな日本の伝統文化をどう思っているのか、それこそそれに触れることすら中々ない。だけどそんな中でこういう授業でこういう縁があって、それの縁を作ってくれたのがやはり人じゃないか、と。人の繋がり、人の思いがあって求める…そういうものを求めるから、必要なものを引き寄せるわけでしょう?だから求めない限り絶対そういうものとは出会わないから、そうやって求めたって言うことが結果としてこういう出会いを作った。そこで出会ったことは今度は何か因子となって、君達が今度これから人生の旅の中で、それを糧に育て、花を開かせる…そういうことでまた文化を君達が担うわけで。もう我々は残っている時間が君達よりも少ないわけだから。だけど君達はこれから、本当にこれがいいと思えば、これをリメイク・リプロダクトしていくとか、そういうものを再生させるっていうことを考えてほしい。その為の今日は出会いになってくれたら嬉しいな、というようなことを子ども達に話しました。今の先生達だってそういう日本の文化や伝統精神っていうものを受け継いでいる方のほうが少ないわけだから。祖父の時代は挨拶するにしてもお互いに結界を持って扇の挨拶をしてたりしたけども、どんどんそれも省略して今やペコって挨拶、会釈ぐらいしかできないみたいな状況が生まれつつある、と。それは伝統の世界もそうやって崩れている。君達に言えたもんじゃない、と。私自身も同じなんだ、と。だからそれを今このまま失くしてしまってもいいのか、そうじゃないと思うんであれば、その思ったことが始まりだろうということで語りかけると、一生懸命彼達も自分の身のことだと思ってくれるんでしょう。その辺りを玉川大学の生徒さんが僕の参観に来てましてね、そのコメントも頂きました。
由結:はい、それでは聞いてみましょう。
「玉川大学の中村です。本日授業を見学させて頂いて、一番印象に残っているのがやっぱり生き生きと和楽器に触れる生徒達の姿で。普段和楽器に触れたり、聞いたりすることってないと思うんですけど、そこでどうやったら綺麗な音が出るかなーとか、どんな音がするのかなっていうこと。すごく一生懸命前向きに取り組んでいる姿が印象的でした。特に普段休み時間には結構騒いじゃう男の子も、一生懸命ずっと楽器と向き合ってやっている姿がとても印象的で、やっぱりそういう和楽器には魅力があるのかなっていうふうに思いました。」
由結:子供たちの様子が浮かんできますね。
大倉:はい、こういうことで何か本当に”自然体で触れさせる”体験。だから教える側も実は完全じゃないんですよね。
どんどん色んなものが退化してるっていうか、そういうものが喪失してるものが気付かないところで起こっている、と。だからそれを教えることで気付かせてくれるっていうこと。私も教えながら学びになります。実は日本だけじゃなくて、世界中の学校訪問をね、公演に行くと、観光するよりも学校に「よかったら行きますよ!」みたいなおまけ 付けちゃうんですね。そうすると大概そっちに行って、観光全然しないで。例えばイタリア・風光明媚で有名なピサの斜塔にも行きましたが、漁師町の小学校に伺って、そしたら彼等はとても生き生きしてるんですよね。鼓にも興味津々といった感じで、凄く積極的なんですよ。終わったあと一緒に給食を食べました。ケータリングの、素晴らしいイタリア料理フルコースをご馳走になりました。こういうのを毎日食べてるのか…と思いました。考えたら周りにはコンビニも何もないわけですよ。そういう暮らしが当たり前。だからこのような文化について、日本ももう一度根底から考え直して、文化教育に取り組んでいかないと取り返しつかないことになると思っています。
由結:その通りですね。先生、素晴らしいお話を有難うございました。続きはまた次回お聞かせ頂きたいと思います。
大倉:はい、宜しくお願いします。
由結:さぁ”大倉正之助・鼓ライダーが行く!”別れのお時間です。お相手は…
大倉:大倉正之助!
由結:由結あゆ美でした。
大倉・由結:また来週!
Rainbow Town FM 88.5MHz「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」
■人気の2時間情報番組「大江戸ワイドスーパーイブニング」内 のコーナー番組
■放送日時:毎週火曜日 19時30分~19時40分
■出演者:アンカーマン 能楽師 大倉正之助先生
パーソナリティ 国際マナー講師 由結あゆ美
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大倉正之助先生 解説「能楽について」(2018年10月16日放送)
レインボータウンFM 88.5MHz
新番組【大倉正之助 鼓ライダーが行く!】
毎週火曜日 19時30分~19時40分 放送
パーソナリティの由結あゆ美です。
新番組「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」は、能楽囃子大倉流大鼓 重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助先生をアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・モノ・コトをご紹介する番組です。
10月16日㈫の放送では、「能楽」の根源や歴史について、正之助先生が分かりやすく解説してくださいました。
「能楽」の根源とは何か⁈
歴代の武将たちは、能楽の達人だった⁈
世界の子供たちの魂を揺さぶる能!
これを聴けば、貴方の日本人としての潜在能力がますます目覚めることでしょう♫
▼第3回放送のバックナンバー動画はこちら
由結:このコーナーでは能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助先生をアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・モノ・コトをご紹介してまいります。こんばんは、パーソナリティの由結あゆ美です。そして…
大倉:大倉正之助です。
由結:先生、番組も始まって三週目ですね。
大倉:そうですね。本当に毎回お世話になります。
由結:こちらこそです。本日は、能楽師でいらっしゃる先生から能楽のお話をお聞かせ頂きたいと思っております。
大倉:はい。能自体が持ってる一番ベースになってるものっていうのは、人間がこうやって自然の中に育まれて、自然の一部であるということ。そして、人間はそういうものを共有して暮らしていた。その時に素晴らしい収穫を得た喜びであったり、とか、そして日々健康に暮らせる喜びであったり、そういうものを何か音にしたり謡にしたり舞にしたりしたわけです。そういう人間の喜びが発露だと思います。だから能って、イメージとして何かちょっと暗いとか、能面のような表情とかね。皆さんどちらかって言うとそういうネガティブに捉えられてる傾向もあるかと思いますが、基本は実はもの凄くネアカと言いますか、本当は生命を称えて賛歌しているものなんです。
由結:なるほど。喜び、生命の賛歌が根源にあるのですね!
大倉:だから例えばどんなに”暗い・悲しい・寂しい”とか、そういう演目の場面でも、我々のお囃子っていうのは力を込めて「よおー!」とか言って「パーンッ」と打つ。その懇親のやる力を注いで打ち込んでいくとか。笛ももちろん情感的になる部分あっても、やっぱりピッチとしては鋭く切り裂くように「ピー!」っていうふうに吹き込んでくるとか。その命というもののベクトルと言うか、どんなことがあっても次へ繋いで渡していく。そういうものが能の中には脈々と受け継がれている。だからよく能のことを”鎮魂能”と言いますね。2020年オリンピックの総合監督 能楽師の野村萬斎さんが選ばれて、彼がやっぱり”鎮魂と再生”っていうことをテーマにしていました。まさしくその能はそこが本領と言いますか、”魂を鎮める”。”魂を鎮める”ってどういうことかっていうと、魂の居場所をしっかりと定めるっていうことなんですよね。だから戦国時代の武士達が出陣を前に能を舞い、鼓を打ち込む、織田信長も鼓が好きだったり、秀吉なんかも実は能が大好きで、自作自演の能を作ってたんですよ。うちのご先祖さんも関わって舞台でお相手したり、一緒になって舞台上で共演するようなこともあったでしょうし、色んな加護も受けていました。石田三成も親戚、先祖の血筋にあたります。そういう意味ではこの能に皆非常にはまったわけです。柴田勝成や明智光秀、北条時宗もそうですよね。北条なども自作自演してると言います。それは一つには”魂を鎮める・鎮魂”っていう目的でそういうのに仕立てたとか。だから戦国の武士達が動揺し、浮足立つ部分を鎮めるため、”鍛錬・胆力”をつけるんです。”舞う・謡う・鼓を打つ”ということで魂が定まる。そうすると不動心が生じてどんなものにも立ち向かっていける覚悟ができる。そういう時に”能”というものが活用されたわけです。
由結:肝を据えるとよく言いますが、武士には胆力が必要だったんですね。
大倉:そうそう。能で胆力がついてくる。謡うことでもそうですし、舞うこともそうだし、お囃子も鼓もそう。全身全霊でそういうものに打ち込む・向かうっていうことはどんな戦場でどんな状況になっても覚悟が必要です。能楽を通してそれを身につけたのでしょうね。
由結:なるほど。実際にこの”覚悟”というのは、言葉で言うと簡単なんですけれども、並大抵のことではありませんよね。現代ではどうなのでしょうか。
大倉:現代でもやはり聞く人の魂が揺さぶられたりとかね。一番わかりやすいのは小学校とか色んな所へいきますが、向こうは聞きたいと思って聞きに来てるんじゃない方々にぶつけると、そこで面白いことが起こるのを感じます。
由結:科学反応が起こるわけですね。
大倉:アメリカなども行きましたが、海外の学校なんか行くとやっぱりちょっと高校生ぐらいっていったら皆遊び盛りですよ?まともに人の話も聞かないようなね。そういう高校をずーっと回ったんです。その子ども達はいきなり私の鼓の調べを聴いて、声を聴いて、それまではガム噛んで足組んで投げ出して「なんだー?」みたいな横柄な感じだったのに、バッと背筋が伸びてね、それでバッと前にこちらに食いついてきたんですよね。だからそれを見ていた先生とか一緒に行った立会いの人が、「やっぱり何かそういう言葉を越えて伝わるものっていうのは、何か伝わるんだ」っていうことをおっしゃっていましてね。そんな機会もありました。
由結:国境を越えてしまうということなんですね。
大倉:そうですね。だから能っていうものはそういう下地があるから、それはどんなものでも乗っかるんですよ。宗教も国籍も人種も、それらを全てを超越した受け皿として、能っていうものは用いることができると。だから本当に今の世界がこの一つの生命体っていうか、そういうものに基づいた文化を創っていこうとすれば、能というものを土台に作っていくと、意外と色んなものを取り込んでいけるんじゃないかなと思いますよね。
由結:今後も先生の能楽を通しての情報もお聞かせ頂けますので、楽しみにしております。さぁ”大倉正之助 鼓ライダーが行く!”オ別れのお時間です。また来週お会いしましょう。お相手は…
大倉:大倉正之助!
由結:由結あゆ美でした。また来週!
大倉:また来週。
Rainbow Town FM 88.5MHz「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」
■人気の2時間情報番組「大江戸ワイドスーパーイブニング」内 のコーナー番組
■放送日時:毎週火曜日 19時30分~19時40分
■出演者:アンカーマン 能楽師 大倉正之助先生
パーソナリティ 国際マナー講師 由結あゆ美
■番組運営:株式会社ユウキアユミサロン
【ラジオ視聴方法について】
大倉正之助先生の新番組「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」は、レインボータウンFM 88.5MHz で聴いていただける他、エリア外の方も、Google play や App Storeから「リスラジ」を無料インストールしていただくと、世界中からお聴きいただけます。PCの場合は、リスラジのホームページで聴くことができます。※PCでは、ホームページ左上ロゴの下にあるAdobe Flash Playerを許可してお聴きください。
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「栃木 蔵の街 花火大会(加山雄三さんのご子息である池端信宏さんの曲と大倉先生とのコラボレーション)の模様」(2018年10月9日放送)
パーソナリティの由結あゆ美です。
新番組「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」は、能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助先生をアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・モノ・コトをご紹介する番組です。
精力的にご活動を続ける正之助先生!
10月9日の放送では、9月に正之助先生と池端信宏さんがコラボレーションなさった栃木『蔵の街』花火大会の模様をお届けします。
日本の伝統である“花火”!
リオオリンピック閉会式の花火演出なども行った、国際的評価の高い花火師でありミュージシャンである池端信宏さん(加山雄三さんのご子息)の曲と、正之助先生の大鼓との絶妙なコラボレーション♫
実は、この2つの音色がマッチするのには理由があったのです!
放送では、その秘密にも迫ります♪
▼第二回放送のバックナンバー動画はこちら
由結:このコーナーでは能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助先生をアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・モノ・コトをご紹介してまいります。こんばんは、パーソナリティの由結あゆ美です。そして。
大倉:大倉正之助です。
由結:よろしくお願い致します。さぁ先生には本日も盛り沢山でお話をお聞きしたいと思っております。
大倉:そうですね。ちょっと時間配分を考えていきましょう(笑)。
由結:はい(笑)。先日、先生は花火大会にご出演なさったとか。
大倉:そうなんです。実は栃木県の栃木市の”蔵の街花火”がありまして、その第一回目の立ち上げの時から、そこの実行委員のほうからご相談を受けまして、そのご縁で、花火大会の第二回目のときに、有名な花火師の池端信宏さんにお会いしました。加山雄三さんのご長男なんですけど、とってもいい人で、私も知り合って7.8年になるんでしょうかね。それで彼は花火のデザインをする方なので、じゃあ新しいできたばかりの蔵の街の花火大会の火付け役に、と。彼若いし「やってくれないかな?」って頼んだら快く来てくれて、それで何回か彼が演出して。「いつか一緒にコラボしようね」っていうことを話してたんですよ。今回五回目でようやくその機会が来まして。
由結:素敵なご縁ですね!
大倉:タイミングがあったので、つい先日ご一緒して彼が作った曲、作曲。この蔵の街の為にオリジナルで作った曲ですよね。それと私の鼓で、彼の花火をライヴでどんどんあげちゃって(笑)。しかもこだわったのが、彼がそれは全然打ち合わせしてないんですけどね、彼自身はその”侘”を表現したい、と。音もやはり日本的な和の世界を彼なりに表現したい、と。それに花火も、最近ほらキラキラもの凄く絢爛豪華なものが多いんだけど、やっぱり江戸時代の”侘(わび)・錆(さび)”というか”侘”のこの光を再現した花火を彼が考案しまして、それで私の鼓とコラボしたわけですよ。だから行って当日ね、彼からそういうこと聞いて、「あぁ、凄いな」って。私は鼓を打つ身ですから感じるところがありました。現代では皆指皮をはめてかカチーンっていうね。どっちかっていうと衝撃音として強い。それは現代人に好まれるわけですよね。現代人はどうしてもメリハリがはっきりしたものが好きだから。私の場合ちょっと古風な、このやってることが見かけは現代的なんだけど、この大川大鼓の音に関してはちょっと古風なんですよね。素手でこの渋い調子を出すもんだから、「そのコンセプトと花火のコンセプトがぴったり偶然一致したよね」って言ってね、二人で。凄く盛り上がって当日迎えて一緒にやったんですよ。その時の音だけ聞いてもらえますか?
由結:そうですね。ではここで聞いてみましょう。
(演奏)
大倉:オープニングだったんですけどね。
由結:素晴らしいですね。この”パンッパンッ”というのは花火の音ですよね。
大倉:そうそう。花火だね。彼がその間に打ち上げ、手元のコントローラーでポチポチやってるわけですよ。
由結:あー、なるほど。じゃあタイミングを合わせているわけですね。
大倉:そうそうそう。こっちの音とそして僕の鼓との間合いを計って…!
由結:息もぴったり!これはリハーサルはもちろん無し…ですよね?
大倉:いやぁ。リハーサルできないですよね(笑)。花火はもう大変でしょう? 一発ウン十万って感じだから。当日は5000発近く上がったらしいですけど。
由結:”喜多川歌麿”の花火もあったんですよね?
大倉:えぇ。そういうものをテーマにしたり。やはり蔵の街ならではの”和”のテイストを活かした表現に作っていったっていう感じですね。彼がここ4年、足掛け5年近くずっと作り上げてきて、地元の実行委員の方々と一緒になって、栃木の一つのこれから風物詩に育っています。
由結:池端さんはリオオリンピックの閉会式の花火なども演出なさってますよね。国際的にも非常に評価が高いとか。
大倉:そう!そうです。もう大活躍でね。横浜スタジアムなんかも、いつも野球の時にやったり。色々大活躍ですよね。長岡もやってますよね。
由結:そして、ミュージシャンでもいらっしゃる。
大倉:そうそう。それから、絵も描くんですよ、彼は。凄い才能でね。私が子供の頃は加山雄三の、お父さんの”若大将”ね。結構ああいうのを観てましたけどもね。だから何か凄くお父様ような、優しい、本当にフレンドリーな、何かそういう包容力のある…その何か不思議な魅力のある人物ですよ、彼は。
由結:素敵ですね。また今後もコラボなさる可能性もあるということですね?
大倉:そうですね。何か、大いに「これは面白いからやろうよ」っていうことになって、盛り上がってます。
由結:会場の皆さんの様子はいかがでしたか?
大倉:そうですね。地元の若い子達が浴衣着て来てくれたりして、本当に縁日のようになってますから。実は当日雨が降ったりしたんですが、結構花火の直前には雨あがって、それがまた素晴らしかったですよね。
由結:これからの道が開けていく象徴という感じがしますね!はい、先生またお話が尽きないんですけれども(笑)
大倉:そうですね(笑)
由結:また来週も、大倉先生から、日本を元気にする貴重な情報をお聞きししたいと思います。さぁ、”大倉正之助・鼓ライダーが行く”別れのお時間です。また来週お会いしましょう。お相手は…
大倉:大倉正之助!
由結:由結あゆ美でした。また来週!
大倉:また来週。
Rainbow Town FM 88.5MHz
■人気の2時間情報番組「大江戸ワイドスーパーイブニング」内 のコーナー番組
■放送日時:毎週火曜日 19時30分~19時40分
■出演者:アンカーマン 能楽師 大倉正之助先生
パーソナリティ 国際マナー講師 由結あゆ美
■番組運営:株式会社ユウキアユミサロン
【ラジオ視聴方法について】
大倉正之助先生の新番組「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」は、レインボータウンFM 88.5MHz で聴いていただける他、エリア外の方も、Google play や App Storeから「リスラジ」を無料インストールしていただくと、世界中からお聴きいただけます。PCの場合は、リスラジのホームページで聴くことができます。※PCでは、ホームページ左上ロゴの下にあるAdobe Flash Playerを許可してお聴きください。
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大倉正之助先生と由結あゆ美の新番組「大倉正之助の鼓ライダーが行く!」放送がSTART致しました!(2018年10月2日放送 )
パーソナリティの由結あゆ美です。
2018年10月2日㈫、能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助先生をアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・モノ・コトをご紹介する番組「大倉正之助 鼓ライダーが行く!」の放送がSTARTしました。
2020年オリンピックを間近に控え、日本文化に注目が集まる中、日本文化を発信するアーティストであり、文化プロデューサーでいらっしゃる大倉先生に他では聴けない情報の数々をインタビューしてまいります。
大倉先生はバイカーとして大変有名な存在であり、様々なバイクに乗り全国各地、時には世界中を巡っていらっしゃいます。
第1回目は、「能楽」と「オートバイ」とのかかわりについて伺います。
▼第1回放送のバックナンバー動画はこちら
由結:このコーナーでは能楽囃子大倉流大鼓 重要無形文化財総合認定保持者・大倉正之助先生をアンカーマンに迎え、日本の伝統芸能をはじめとする文化に関わる人・モノ・コトをご紹介してまいります。
パーソナリティの由結あゆ美です。
大倉:大倉正之助です。宜しくお願いいたします。
由結:さあ、先生いよいよ新番組が始まりました。
大倉:お世話になります。
由結:先生とこのようなコーナー番組でご一緒できますこと、本当に感謝しております。
大倉:いやいや、由結さんと一緒にできて夢のようです。本当にありがとうございます。
由結:ありがとうございます。さて、この番組名が”大倉正之助・鼓ライダーが行く”と言うことなのですが、その由来についてご説明していきたいと思います。
由結:皆さんご存じだと思いますが、大倉先生のプロフィールを改めてご紹介致します。能楽師でいらっしゃる大倉先生は、大鼓ソリストとして、新たな分野を活躍・確立し、世界各国の式典やイベントにも多数ご出演なさっていらっしゃいます。その先生の番組タイトルが、なぜ”大鼓ライダー”なのでしょうか。
大倉:実は能と伝統芸能とそして鼓は、対極・真逆の世界かなと皆さん思われると思うのですが、私にとっては能というのは、戦国時代の武士が非常に嗜みとして身につけ、そしてそれを生きがいにしていたもの。
彼らは毎日、”生きる死ぬ”合戦、そういう最中の中に一時こういう能と言う、芸に集中することで 何かまた生きている喜びをそこに求めたり、また一つの魂を鎮める、己の昂ぶり、もしくは揺らぐ精神を魂を鎮魂していたんです。
“鎮魂の芸能“とも言われますけど、そういう作用が能にはあり、彼らはそれを求めたんだと思うんですね。
だから何かそういう精神を現代でどういうふうに継承できるのかなと、私なりの考え方です。
これは誰にでもお勧めできることではないのですが、私はやっぱり現代の馬と言いますかね、オートバイに乗るって言うことは、ほんの一部分でも戦国時代の武士が合戦に臨んで、そしてまた生還するって言うか、そういう感覚をほんの1 mm でも一部でも、味わえる場が私にとってはオートバイみたいなものがあるかなと思っています。
やっぱりオートバイで旅をしますと、雨風を受け、そして晒されるって言うかね、身を晒すって言う状況。
これは現代の暮らしの中ではまず普通はありえないですよね。
旅行に行ってもどこもクリーンな場所ですし。
だけどオートバイで移動すると、禊を受けるって言うかね。
そしてまたそこで旅をする時に、自分の持てるものを吟味しなければならない。最後までこれは必要なんだって言うものを選んでいく。
ある意味「断捨離」です。
この間「断捨離」の山下さんにお会いしましたけど。「断捨離」って、今物に溢れてる中で必要とされています。私にとってはそういうものがこのオートバイから数多くの学びを受けてきたんですね。
そういうことを通し能の舞台にフィードバックしていく。
例えば、演出にもそういうものが反映されています。
また、それをスポンサーして頂く、パトロンになって頂くというのも、オートバイメーカーやバイク業界の方々に随分応援して頂いて、こういうものが成り立っているということを知って頂く機会になったら…と思っています。
由結:なるほど。お能から、オートバイにつながり、“鼓ライダー“、このタイトルになったわけですね!さて、今、目の前に素晴らしいヘルメットがありますね。
大倉:そう、これね。ARAI HELMETって、ヘルメットでは世界有数、第一のメーカーなんですけど、そのARAIさんが私の為に特別に作って頂いたデザインです。
このデザインは”八咫烏(やたがらす)”、つまり、熊野の守り神です。
神武天皇を導いた三本足のカラスですよね。これは太陽の守り神と言われ、太陽の遣いであったなど色々と言われておりますが、熊野のシンボルになっています。これはそういう導きであったり、それから私が今熊野の本宮の先代の九鬼宮司様から、私の仙台の会長が、”八咫烏”というクラブ名を拝命したんです。
その会を私が率いてまして、二代目会長をしています。
毎年100名近いライダー達が熊野を目指してくるんです。それは一年間、目に見えないところでご加護を頂いた、守って頂いた。
そういうことを感謝・報恩として、そういうお礼に参詣すると。熊野の山々をずっと回って、行った先々で私は鼓を打たせして頂く…奉納するわけですね。
由結:わぁ~貴重なヘルメットなんですね!そして、”八咫烏”のクラブでは素晴らしいご活動をなさっているのですね。
大倉:はい、YAMAHAのデザイン部門の方が特別にデザインして頂き、色んな方々の思いが詰まった、そして世界に一つしかないものです。
素晴らしい躍動感のあるデザイン。
やっぱり火の鳥のような、カラスでも太陽の使いって言うイメージがデザインされてるかなと思います。今回、”鼓ライダーが行く”という番組がスタートしましたので、持ってきました。
由結:それから、先生の鼓の音をイメージしたオートバイがありますよね?
大倉:えぇ。実はYAMAHAさんのデザインの会社に委託してる分があって、それは工業デザインのGKという「GKダイナミックス」という会社です。
そこは色んな日本の工業デザイン、例えば、醤油のボトルデザインだったりとか、いろいろデザインしてきたんです。
そこはYAMAHAのオートバイのデザインをずっと手がけていました。でも古くは車のデザイン、TOYOTA・2000GTなどをデザインしていました。
そこのデザインの会社と一緒に出会って、私の鼓の音をずっと聞いて頂いて、それが触発されてオートバイのコンセプトが”鼓動”に。
鼓が動くと書いて”ハートビート”ですね!その”鼓動”と言うタイトルのデザインされた オートバイが完成しました。
由結:”MT-01・鼓動”ですね。
大倉:そうですね。それで今度ちょっと調べて頂くと言ってくるかと思います。”MT-01・大倉正之助”で。織部賞という賞も受賞しましたから。チーフデザインの石山篤さんが、それを書いてらっしゃいますから、是非またどこかでお目通しください。
由結:はい。もう大倉正之助ファン・オートバイファンにはたまらない情報だと思いますけれども。是非皆様チェックなさって頂きたいと思います。では先生、お話が尽きないんですけれども。
大倉:時間がもう来ちゃいましたね(笑)
由結:そうですね(笑)またこの番組では先生が様々な場所にバイクで移動し、奉納なさるお話なども盛り込んで行きたいと思っております。
大倉:もちろん、はい。 どうぞ、他では聞けない情報をお伝えしたいと思います。
由結:リスナーの皆さま、楽しみになさって頂きたいと思います。さあ”大倉正之助・鼓ライダーが行く!”お別れの時間です。また来週お会いしましょう。お相手は…
大倉:大倉正之助!
由結:由結あゆ美でした。
大倉・由結:また来週~!
Rainbow Town FM88.5MHz
■人気の2時間情報番組「大江戸ワイドスーパーイブニング」内 のコーナー番組
■放送日時:毎週火曜日 19時30分~19時40分
■出演者:アンカーマン 能楽師 大倉正之助先生
パーソナリティ 国際マナー講師 由結あゆ美
■番組運営:株式会社ユウキアユミサロン
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